中置
十月は中置。
徐々に寒さを感じ、火の気が恋しくなるこの季節、客の方へ風炉を近づけ、水指を勝手付の方へ遠ざける亭主の心遣いの扱いです。
席入りして釜を拝見する時、「いつもと違うのが分かりますか?」と聞くと、「??? 釜ですか? 風炉ですか? ???」・・・皆さん結構 気付かないようです。
でも、お点前してみると、道具の位置が変わり、違いを実感。膝前が少し窮屈な感じもします。
点前の三要素は、「一、位置の決定 二、順序 三、動作」といわれます。中置や流し点をすると、この「位置の決定」が本当に大切で、難しいことを実感します。
この日、Sさんは大板の濃茶をお稽古。
大板は、板の上に蓋置・柄杓を置けるので、点前しやすいですね。
美味しいお濃茶を練ってくれました。
問答の際、お茶杓の銘は、「金風」。五行説で、秋は金にあたることから、秋風のことを金風といいます。「仕事で季語や禅語を調べていて、ちょうどお茶杓の銘にもいいと思って。いろんなことがお茶にも活きてきますね。」と、にっこり。
季節の移ろいに敏感になると、お茶も心も豊かになりますね。
もうすぐ風炉も終わり。半年があっという間です。また炉を囲んで、ほっこりお茶をするのが楽しみです。
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