名残り
十月は名残の月。前年に口切をしたお茶も僅かとなり、名残惜しみながらいただくとともに、半年の間 慣れ親しんだ風炉との別れとなる‥という心を込めて、侘びた風情でお茶を楽しみます。
中置の点前、五行棚、欠風炉に藁灰、残花、寄せ香‥等々、いろいろな形で名残の趣向は表現できそうですが、さらっと自然な感じで名残の気配を感じさせるおもてなしをしたいものです。
お稽古場では、「風炉の最後の月」ということで、風炉の点前のまとめ的な心持ちで気合も入ります。一方で、十月ならではの 中置の点前もしっかり楽しみたい!‥と、あっという間にひと月が過ぎてしまいます。
点前の基本をしっかり確認しながら稽古したり、小習を集中的に稽古したり、一年ぶりの中置の点前を新鮮な気持ちで稽古したりと、移ろう季節をかみしめながら(?)、それぞれに稽古に励んでおります!
高取のお茶碗は、かけてしまった茶碗を昔 祖父が漆で繕ったもの。この時季に使っています。繕いが景色にもなり、お弟子さんにも好評です。
古いものや好きなものを大事に使い繋ぐ心、大切にしたいですね。
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